FC2ブログ


タイトル画像

登山外来の現場から 防ごう!山での心臓突然死(2)

2015.07.07(08:26) 1010

次のような記事がありました。

中高年に登山愛好家が急増する今、「私は大丈夫!」と思っている方こそ要注意。登山には危険がつきまとうが、装備や服装を軽視しがちな風潮が広がっているのも事実。登山家・三浦雄一郎氏の専属医としてエベレストにも同行した日本人初の国際山岳医が、医学的データを示しながらわかりやすく警鐘を鳴らす。では、何に注意をしたらよいのか――。山を愛する人を応援するコラム。

防ごう!山での心臓突然死(2)

2015年7月3日
大城和恵 / 心臓血管センター北海道大野病院医師/国際山岳医
23731

 前回は、山での心臓突然死の特徴をお話ししました。「自分にあてはまっているな」と思った方がいらしたのでは? 山から病院までは遠すぎます。山で心臓発作を起こすと、助かるのは大変難しいことがおわかりになったと思います。登山前の事前健診と“心臓に優しい”登り方で、予防するしかありません。

予防に尽きる!

 予防には、「1.事前の準備」「2.登山前日の予防」「3.登山当日の予防」の3段階あります。

1.事前の準備

 (1)規則的な運動

 (2)病院で検査を受診: 40歳以上の男性で、日ごろ運動していない人は運動負荷試験(運動しながら心電図の変化を調べる検査)を受けましょう。私の登山外来(心臓血管センター北海道大野病院)が得意とする検査です。

 (3)持病の治療:持病がある方は、現在治療中の持病(病気)において、登山など負荷のかかる運動時に気を付ける点を確認しましょう。

 (4)禁煙:喫煙は動脈硬化を促進させ、心筋梗塞(こうそく)の原因になります。また、肺が壊れて、息切れの原因になります。

2.登山前日の予防

 日常生活では見過ごしがちですが、登山中の心臓突然死に影響するとなれば、登山前夜は改める必要がありますね。

 (1)十分な睡眠を取る

 (2)アルコールは控える

 (3)水分を取る

3.登山当日の予防

 登山当日は、急激な運動、温度の変化、空気の乾燥などにより体がストレスを感じることで交感神経が活性化し、体が緊張状態にあります。体の緊張状態を和らげ、心臓に優しく登りましょう。

 (1)初日はゆっくり登る:科学的には、乳酸がたまらないペースが、“心臓に優しいペース”です。以下のスピードが、乳酸がたまらない目安になります。

 ・平地の半分のスピード

 ・話をしながら登れるペース

 (2)水分摂取:登山前に500ml水分を取る。

 Q:水分摂取のコツはありますか。

 A:塩分を取ると、体は水を保持しやしすくなります。朝食をしっかり食べて、塩分を補給しましょう。

 Q:出発前に水分が足りているかの目安は?

 A:起床して排尿したあともう1回排尿したら、体に水分が循環したサインで、出発準備が整ったことになります。起床時の排尿は夜間の尿ですので、それだけでは体はまだ潤っていません。そのまま登山開始すると「かくれ脱水」状態で危険です。

 Q:何をどの程度飲むの?

 A:汗をかくので、塩分補給にスポーツドリンクを半分程度に薄めたものを30分ごとに飲みましょう。一度脱水になると回復に半日以上かかります。

 Q:女性はあまり水分を取りたがりません。

 A:女性はトイレを気にして水分補給したがらないものです。リーダーは強制的に女性のトイレタイムを取って、「大丈夫です」と言われても、トイレに行かせてください。

 (3)炭水化物補給:心臓突然死には、炭水化物の不足が関係している、と言われています。朝食をしっかり取り、行動食(携帯食)を2時間おきには取りましょう。朝食の次の食事が昼食では、炭水化物不足です。

−エベレスト登山時にチームドクターとして同行した大城先生が語る−【冒険家・プロスキーヤー・三浦雄一郎さんのエピソード】

 三浦雄一郎さんは、1日に歩く距離を従来の半分に減らす「年寄り半日仕事」を守って、エベレストに登頂しました。心臓に持病のある三浦さんは、倍の時間をかけて登る自分の体に合った登り方を自ら選択し、発作を予防したのです。水分は本当に30分おきに飲んだのか?というと、実は、予備遠征の時には、そういう習慣がなく、少々戸惑っておられました。飲む量も少なめで、実際、不整脈発作が出てしまいましたが、エベレスト遠征時には、「そろそろ水を飲まないと」と自分から口にするようになりました。「水分補給をする」ことを強制的に繰り返すうちに体が覚えてしまったようです。予防策も一朝一夕には身に着かないものなので、最初は意識しないといけませんね。

   P6280355.jpg
スポンサーサイト



りんむうフォトダイアリー



健康 トラックバック(-) | コメント(0) | [EDIT]
2015年07月07日
  1. 登山外来の現場から 防ごう!山での心臓突然死(2)(07/07)