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震災5年、今こそ「絆」を 香山リカのココロの万華鏡

2016.03.15(22:57) 1118

次のような記事がありました。

その他 2016年3月15日 (火)配信毎日新聞社
香山リカのココロの万華鏡:震災5年、今こそ「絆」を /東京

 東日本大震災と福島第1原発事故から5年がたった。最近、福島県に足を運び、住民のためにがんばり続ける民生委員や自治体職員と話す機会があった。

 原発から20キロ圏内のある町は、役場ごといわき市などに移転していた。昨年、避難指示は解除されたが、実際に帰還したのは町民の1割弱。病院や商業施設なども整っておらず、除染も終了していない町に帰るのをためらい、避難生活を続けている人が多いそうだ。役場もいまだにいわき市やほかの市に機能の一部を分散させるなどバラバラの状態だ。職員に「たいへんなことはないですか」と質問すると、重い口を開いてくれた。

 「そうですね。ときどき『もう避難指示は解除されたんだろう? いつまでいる気だ』という電話がかかってくるんですよ。どこの方かはわからないのですが、私たちが避難先に甘えているように見えるんでしょうね」

 その職員は「きっとその方も自分の生活で手いっぱいだから、つい私たちに非難の矛先が向かうのでしょう」と理解を示そうとしていたが、そんな電話を受けるのはさぞしんどいことだろう。その人は続けた。「仮設住宅の供与期限は来年3月いっぱいです。避難を続ける町民に『この生活に区切りをつけなければなりません。町外に生活基盤をかまえるか帰還するか、自分で考えてください』と、いま一人一人に伝えています」。それもつらい役割に違いない。そんな実態を知らずにいる自分を恥ずかしく感じると同時に、知っても何もできないのがもどかしくなる。

 あの大災害のあと、「絆」という言葉があまりに多く使われ、私も「『絆』を強調しすぎると、被災者にも支援者にもかえって負担やストレスになる」と言っていた時期があった。しかしその後、その「絆」は急速に弱まり、「自分たちの地域のことは自分たちで考えて何とかして」という「自己責任」を被災地に押しつけるムードのほうが高まっているように思う。

 今こそ「絆」を。そう言ったら「何を今さら」と笑われるだろうか。いや、笑われてもいい。「もうけっこう復興してるんでしょ」「福島の避難者も帰ろうと思ったら帰れるんでしょ」と見ないふりはやめて、もう一度、被災地の現状、避難者の苦悩に目を向けよう。そして、「ずっと支援する」と誓ったあの日のことを思い出そう。今こそ「絆」を、と自分にも言い聞かせながら、まわりの人たちにも呼びかけたいと思う。(精神科医)

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       ミツマタ
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りんむうフォトダイアリー



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2016年03月15日
  1. 震災5年、今こそ「絆」を 香山リカのココロの万華鏡(03/15)