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登山外来の現場から 防ごう!山での心臓突然死(3)

2015.07.10(22:25) 1015

次のような記事がありました。

登山外来の現場から
防ごう!山での心臓突然死(3)

2015年7月10日
大城和恵 / 心臓血管センター北海道大野病院医師/国際山岳医
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 前回は、山での心臓突然死を防ぐために知っておきたい、事前の準備、登山前日および当日の予防法についてお話ししました。今回は「山での心臓突然死」の最終回。登山中に気をつけたい「体の緊張状態」を知る方法と、実際に心臓発作が起きてしまった場合の対応法についてご紹介します。

1.体の緊張状態を知るにはどうしたらいいですか?

 心臓突然死が登山の初日と午前中に多いことは、「山での心臓突然死(1)」でお話しした通りです。これは交感神経が活性化して体が緊張状態にあるからです。自分の体が緊張状態にあるかどうかを知るために、以下の2点を確認しましょう。

 (1)排尿の回数がいつもより少なくないですか? :脱水状態にあると、排尿の回数が日常生活より少なくなります。排尿回数の減少は血液がドロドロする原因にもなります。脱水はより体を緊張状態にするため、休憩を増やして、水分をよく取りましょう。

 (2)休んでも脈拍が速くないですか? :登山の1日目に、休憩しても脈拍が下がらないことはよくありますが、これがまさに緊張状態! 出発前、そして1日目は休憩のたびに脈を測ってみましょう。休んでも1分間に90回以上脈を打っている人は、かなり要注意です。心臓が悲鳴を上げています。休憩して、水分を取り、ペースを落とす必要があります。休憩した時に、出発時と同じくらいまで脈が下がるようであれば、体の緊張は随分回復しています。

−エベレスト登山時にチームドクターとして同行した大城先生が語る−【冒険家・プロスキーヤー・三浦雄一郎さんのエピソード】

 三浦雄一郎さんの予備遠征の時の話です。遠征初日は心臓が緊張状態でした。普段は1分間に70〜75回程度の脈拍が、初日は1分間に130回程にまで上がり、休憩しても、120回程度にまでしか下がりませんでした。1週間も過ぎ、標高が4500m近くまで来ました。標高が上がるので、さぞ負担が大きくなるのでは?と思うのですが、三浦さんの脈は80回に落ち着いていました。歩けば110回程度まで上がりますが、休憩すると、すぐに80回に下がるのです。1週間してようやく体が登山に慣れ、緊張状態から回復。遠征本番では、心臓に優しい「年寄り半日仕事」が誕生しました。

2.山で心臓発作が起こったら?

 実際、登山中に心臓発作が起きてしまったら? 慌てずに対応できるよう、以下のポイントをチェックしておきましょう。

Q:そもそもどんな症状なの?

A:胸が、「しめつけられる」「重苦しい」「踏みつけられた」ように感じます。痛みの箇所が指させるほど狭い範囲、もしくはチクッとした数秒の痛みは、心臓発作の痛みではない可能性が高いです。

Q:休めばよくなりますか?

A:冷や汗をかくような胸の痛みが初めて起こったのであれば、心臓発作を疑います。一度よくなったとしても、歩き出したらまた起こる可能性があります。

Q:すぐにやることは?

A:(1)安静に休みます

 (2)周りに人を集めましょう

 (3)110番か119番をします:携帯が通じない場合は、無線か衛星電話があれば貸してもらうか、もし借りることができなければ、携帯がつながるところまで誰かに行ってもらいましょう。近くに山小屋があれば、そこでお願いします。

 (4)近くにあれば、自動体外式除細動器(AED)を用意しましょう:心臓発作を疑ったら、ただちに用意します。心臓が止まってからAEDを探しに行っては間に合いません。 

Q:どんな姿勢をとったらいいの?

A:楽な姿勢がいいですよ。上体を起こして、もたれているのが楽でしょう。

Q:意識がなくなった!!!

A:すぐに平らにあおむけに寝かせ、呼吸をしていなければ心臓マッサージを始めましょう。たとえAEDがなくても、心臓マッサージを直ちに開始することが最も重要です。

 山で心臓突然死から救えるチャンスは非常に少ないですが、ゼロではありません。そのためには三つのことが必要です。

 (1)通信手段を確保している(携帯はいつもつながるわけではありません)

 (2)救助要請する(天気が悪いと、救助までにかなり時間を要しますが……)

 (3)心臓マッサージをする(呼吸が止まったら、ただちに始めます!)

 でも、やっぱり、予防に勝る治療はないのが、特に、この山での心臓突然死なのです。

大城和恵
心臓血管センター北海道大野病院医師/国際山岳医
おおしろ・かずえ 1967年長野県生まれ。医学博士、山岳医療修士。日本大学医学部卒業後、循環器内科医として約10年間の付属病院勤務を経て、「山での遭難者を助けたい」という思いを募らせて本格的に山岳医療の勉強を始める。98年、アフリカ大陸最高峰キリマンジャロ(5895m)に登頂。心臓血管センター大野病院を拠点に診療を続けるが、09年に退職し渡英。1年をかけて日本人として初めて「UIAA(国際山岳連盟)/ICAR(国際山岳救助協議会)/ISMM(国際登山医学会)認定国際山岳医」の資格を取得した。現在は同病院の循環器内科・内科および登山外来で勤務するかたわら、北海道警察山岳遭難救助隊のアドバイザーも務める。遭難実態を知り、現在遭難しないための医療情報、心臓死の予防、高所登山のアドバイス、ファーストエイド技術の講習会主宰など、山と登山に関する多方面で活躍する。13年には三浦雄一郎さんのエベレスト遠征隊にチームドクターとして参加した。自身もマッキンリー、マッターホルン、マナスル(世界第8位)登頂など海外を含む豊富な登山歴を持つ。

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りんむうフォトダイアリー



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