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上手に他人の力借りて 香山リカのココロの万華鏡

2017.01.31(23:00) 1278

次のような記事がありました。

上手に他人の力借りて 香山リカのココロの万華鏡
その他 2017年1月31日 (火)配信毎日新聞社
香山リカのココロの万華鏡:上手に他人の力借りて /東京

 いきなり個人的な話題になるが、私の母親は、北海道小樽市でひとり暮らしをしている。もう高齢で持病もあり、定期的に内科に通院している。先日、私も東京から戻って診察に付き添った。

 はじめて会う内科の医師は、年齢は私よりも少し下という感じ、にこやかな男性だった。母親が「体力がなくて」と言うと、やさしく「食事はちゃんとなさってますか?」ときく。それに対して母親は、「ごはん、あまり食べたくないんですよね」という答え。これが家での私との会話だったら、つい「食べてないなら体力がつかなくたって仕方ないじゃない。もっとがんばって食べてよ!」などときつい口調で言ってしまいそうだ。

 しかし、内科医は笑顔のまま、「それは困りましたね。ごはん茶わん半分くらい? もう少し食べましょうよ」などとアドバイス。それには母親も、「そうですね、がんばってみます」とうなずいている。

 診察は万事、そんな調子で進み、最後に医師はこう言った。「娘さん、東京で仕事してるんでしょう? 忙しいと思うので、ふだんの通院には来なくて大丈夫ですよ。何かあったらこちらから連絡しますから」。私は逆に、「どうしてひとり暮らしなんかさせてるんですか? 娘なら同居すべきでしょう」などと怒られるのではないか、と思っていたので、そのひとことに思わず涙が出そうになった。母親もいっしょにうなずいていた。

 母娘など家族だとお互いワガママが出たり甘えが出たり、つい相手を責めたり文句を言ったりしてしまう。そこに誰か第三者のプロが介入するだけで、こんなに気持ちがなごんだり素直になれたりするものなのだ。

 いまの時代、「ひとに頼るのはよくない、自分たちだけでなんとかしなきゃ」と緊張し、家族の中の圧力がどんどん強まってしまうことがある。そうなると、それぞれが心にもないひどい言葉を口にしたり、相手を憎く思う感情が高まったりする。

 それよりは、上手に他人の力も借りながら、思いやりややさしさを失わないだけの余裕をキープしておいたほうがよい。

 「じゃ先生、これからもお願いします」と私たち母娘は笑顔で診察室をあとにした。

 私も東京に戻ったら、診察室で患者さんの家族に「ムリしすぎないで。私たちにおまかせください」と言ってあげられるようにしなきゃ、と思ったのだった。(精神科医)

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りんむうフォトダイアリー



健康 トラックバック(-) | コメント(2) | [EDIT]
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コメント
お久しぶりです。パソコンが治りましたので
よろしくお願いいたします。

精神科医の香山リカさんテレビに出られるので
存じています。お母さまとのやりとり(先生も)勉強になりますね。
これからもっとゆとりを持って話たいと思うようになりました(できるかな??)

紅梅みごとですね!これもお近くなのですか?
【2017/02/03 11:29】 | わらびちゃん #- | [edit]
わらびちゃん、こんばんは。
いつもブログをご覧いただき嬉しいです。
紅梅の写真は松戸市の「戸定邸」です。
紅白の梅の木が数本あります。
白梅はまだ蕾でした。1/26現在。
【2017/02/03 22:23】 | りんむう #834Ul4QE | [edit]
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