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「地球に似た7つの惑星を発見」――NASAの発表を正しく理解するために大切なこと

2017.03.10(09:45) 1294

次のような記事がありました。

「地球に似た7つの惑星を発見」――NASAの発表を正しく理解するために大切なこと
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2017/02/28
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 米国航空宇宙局(NASA)は2月23日、地球から約39光年離れた恒星「トラピスト1」のまわりに、地球に近い大きさ、質量をもつ惑星が7つあることを発見した、と発表した。

 この7つの惑星には、どれも水が存在する可能性があり、さらにそのうち3つは、生命が生きるのに適していると考えられる領域の中にあるという。

 今回の発表をめぐっては、発表前から「NASAが重大発表を行う」と話題になり、すわ宇宙人発見か、などと煽るメディアもあった。発表後も「この星に地球外生命がいるのでは」とにわかに盛り上がるなど、この「NASAの重大発表」(もっとも、NASA自身はそのような表現は使っていない)が与えた衝撃は大きかった。

 ただ、もちろん、今回の発表は地球外生命を裏付けるものではないし、発表の趣旨もそのような煽りを目的としたものではない。
 では、今回の発表はいったい何が重要なことだったのだろうか。

◆恒星「トラピスト1」をまわる7つの地球型惑星が見つかった

 今回の発表の趣旨は、NASAやヨーロッパ南天天文台、大学などの共同研究チームが、宇宙に浮かぶNASAの「スピッツァー宇宙望遠鏡」と、南米チリにあるヨーロッパ南天天文台の望遠鏡による観測の結果、太陽系から約39光年離れたところにある「トラピスト1」と呼ばれる恒星を回る、7つの惑星が見つかった、というものである。

 この7つの惑星はすべて地球に近い大きさ、質量をもった「地球型惑星」であり、水が存在する可能性もあるとされる。

 実はトラピスト1に惑星が発見されたのは、今回が初めてではない。2016年5月にはすでに3つの惑星が見つかっており、その後さらに詳細に観測した結果、今回の7つの惑星が見つかり、さらにより正確に各惑星の位置や大きさ、質量を特定できた。また太陽系以外で、7つもの惑星をもつ惑星系が見つかったのは過去最多記録でもある。

 さらに、この7つのうち、トラピスト1に近いほうから数えて4番目から6番目までの3つは、恒星との距離、またその恒星が出すエネルギーなどから、生命が生存するのに適した(とくに水が液体として存在できる)環境になると考えられている領域のことである。この領域のことを「ハビタブル・ゾーン」と呼び、たとえば太陽系では、地球が公転している領域がハビタブル・ゾーンにあたる。

 地球に似た惑星が見つかったこと、そしてその惑星がハビタブル・ゾーンの中にあることなどから、「地球外生命がいるのでは」と盛り上がることにもなったが、実際には今回の発表は、それを裏付けるものではない。

◆今回の発見は何が重要なのか

 では、今回の発見と発表は、いったい何が重要だったのだろうか。

 まずひとつは、太陽系から39光年という、比較的近いところでの発見であること、また惑星を7つ、さらにハビタブル・ゾーンの中に限定しても3つも惑星が発見されたということである。

 太陽系に近いということは、それだけ望遠鏡からの観測がしやすいということであり(ただし近いとは言っても、直接訪れての探査は難しい)、また数が多いということも、それだけ観測の対象が多くなり、研究しやすいということにつながる。今後のさらなる探査で、それぞれの惑星の詳細や違いがわかるかもしれない。さらに数が多ければ、それだけ生命が存在する可能性も大きくなるということでもある。

 もうひとつは、トラピスト1が赤色矮星であるということである。前述のように、赤色矮星は太陽の0.08倍、木星ほどの大きさしかない比較的小さな恒星だが、この宇宙に最も多く存在する恒星の種類でもある。
 つまり、トラピスト1にこれだけ多くの惑星、それも地球サイズだったりハビタブル・ゾーンの中にあったりする惑星が見つかったということは、他の赤色矮星にも同じような世界が、つまり多数の惑星がもち、さらにハビタブル・ゾーンにも惑星があるような、そんな世界が広がっているかもしれない。

 それは今後の観測や、新たな系外惑星の探索にとって重要なことでもあるし、またそれだけこの宇宙のどこかに生命がいる可能性が増えることにもなる。

◆地球外生命の有無の答えが出る日は近付いている

 さらにNASAは現在、さらなる新たな系外惑星の発見を目指した宇宙望遠鏡「TESS」や、今回見つかったような系外惑星をさらに詳細に観測できる「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」の開発を進めている。
 どちらも2018年に打ち上げられる予定で、観測が始まれば、今回見つかった7つの惑星のことがより詳細にわかるかもしれないし、さらに他の系外惑星も見つかるかもしれない。少なくとも今以上に、系外惑星のことを知ることができるのは間違いない。

 そしてそれは必然的に、地球外生命が存在するかどうかの答えにもかかわってくる。今の時点では、地球外生命がいるとは言えないが、しかしいないとも言えず、私たちが探し続けさえすれば、いつかは見つけることができる可能性は大いにある。

 今はまだ、その日がいつなのか、近いのか遠いのかさえわからないし、もちろん空振りに終わる可能性もある。けれども、今回のような研究や、最新技術を使った新たな望遠鏡によるさらなる探索によって、少しずつ答えに近付いていることは間違いない。

<文/鳥嶋真也>

とりしま・しんや●作家。宇宙作家クラブ会員。国内外の宇宙開発に関するニュースや論考などを書いている。近著に『イーロン・マスク』(共著、洋泉社)。

Webサイト: http://kosmograd.info/

Twitter: @Kosmograd_Info

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© HARBOR BUSINESS Online 提供 地球から約39光年離れた恒星「トラピスト1」にある惑星のひとつの地表の想像図
Image Credit: NASA/JPL
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