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便秘に悩む女性に潜む 下剤乱用の落とし穴

2017.08.30(22:04) 1375

 次のような記事がありました。

便秘に悩む女性に潜む 下剤乱用の落とし穴
2017年7月28日 野澤真木子 / 日本橋レディースクリニック院長

 不規則な食生活やダイエット、運動不足などが原因と考えられる便秘に悩む女性は多く、厚生労働省の2016年国民生活基礎調査によれば、女性の20人に1人が便秘です。年齢・性別でみると若年層では女性に多く、60歳を超えると男女共に多くなるといわれています。便秘にはいろいろな原因があるので、ひとくくりにはできませんが、今回は、大腸に器質的疾患(大腸がんなど大腸の病気)がないことを前提にお話しします。
下剤をやめられなくなる女性も多い
 便秘に悩んでいる方は、安易に下剤を連用し、やめられなくなっている女性も多いです。病院で処方される便秘薬には多くの種類があり、それぞれ、どのような仕組みで作用するかが異なります。大腸を刺激する下剤、便を軟らかくする緩下剤、漢方薬、消化管運動機能改善薬です。一方、市販の便秘薬は、大腸刺激性の成分を含んでいる下剤が多くなっています。頑固な便秘に悩む方は、即効性やすっきり感を求めることが多く、市販の大腸刺激性下剤(センナや大黄など)を連用されている人が多いようです。
 このタイプの薬は、大腸の神経に作用して腸管の蠕動(ぜんどう)運動を引き起こすことで便の排出を促します。そのため、下痢状になることが多く、腸管の強い収縮運動に伴って腹痛を生じる場合もあります。どうしても便が出にくい時に一時的に使うのは問題ないでしょう。しかし、注意したいのは、大腸刺激性下剤は長期間連用することで効果が減弱し、習慣化することもあるため、使用しているうちに内服量が増えてしまったり、やめられなくなったりしてしまう場合があることです。刺激性の下剤は、症状が出た時だけ、あるいは短期間の服用にとどめることがベストです。
刺激性下剤の乱用で腸の中が真っ黒に
 正常な大腸粘膜はきれいなピンク色をしていますが、刺激性の下剤を何年も服用し続けている人の大腸は、まるで墨汁を塗ったように真っ黒になることがあります。これは、専門的には、大腸黒皮症(大腸メラノーシス)と呼ばれる状態です。大腸黒皮症になると神経細胞がダメージを受けて大腸の機能が低下して腸が動きにくくなるので、ますます便秘が悪化します。下剤をやめると、個人差はありますが、数年で黒色の腸粘膜は正常な色に戻っていきます。
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長期間の下剤服用は痔や肛門狭窄に
 下剤の弊害はそれだけではありません。便秘や下痢が続くと、痔(じ)にもなりやすくなります。硬い便を出すのに長時間トイレに座りいきみが強いと痔核(いぼ痔)に、カチカチの便は裂肛(切れ痔)の原因となりますが、一方、下痢便も裂肛の原因となるので下剤の飲み過ぎには注意が必要です。また、下痢状の便が肛門のくぼみに入って炎症を起こすと、肛門周囲膿瘍(のうよう)・痔ろうの原因となってしまいます。
 下剤を日常的に服用していて、毎日下痢をしているような人の中には、肛門がきゅっと締まって肛門の開きが悪い状態「肛門狭窄(きょうさく)」を起こしている人も少なくありません。この連載の1回目「気軽に受診を!女性専門肛門科とは」の回に説明したように、肛門科の診察には、肛門内に人さし指を挿入して肛門内の状態をみる「指診」は不可欠です。ところが、肛門が狭くなっていてこの指診が十分にできず、小指を入れるのもやっと、という患者さんが時々います。肛門狭窄は、長期間裂肛を繰り返してしまっている場合や、下痢が習慣化してしまっている人に多くみられます。
食物繊維の多い食事で便秘解消を
 こういった症状を改善し、痔を予防するには、食生活や運動習慣を見直して、便秘を防ぎ下剤の乱用をやめることが重要です。そして、バナナ状の理想的な排便を目指しましょう。刺激性の下剤を常用していた人がすぐにやめるのは難しいので、便を緩くするタイプの薬と併用しながら、少しずつ刺激性下剤の服用量を減らしていきます。長年、下痢状の便が当たり前だった人には、シャーッと水で流すように出すのが正常な排便ではないと認識を変えていただく必要があります。
 ここで、正常な排便の仕組みを簡単に説明しておきましょう。口から入った食べ物は、食道、胃へと進みます。胃に食べ物が入ると腸の蠕動運動が始まり、小腸、大腸へと消化・吸収されながら移動していきます。小腸ではさまざまな栄養が、大腸では、水分や電解質が吸収され、最終的に残った搾りかすのようなものが集められて固まり、便が作られます。その便が直腸に到達すると、脳に指令が伝わって「便意」を感じ、トイレに行きたくなるのです。
 便秘を解消するには、水分をしっかり摂取し食物繊維を豊富にとることが大切です。食物繊維には、穀類、豆類、かんぴょうなどに多く含まれる不溶性食物繊維と、海藻類、果物、こんにゃくなどに多く含まれる水溶性食物繊維があり、便秘解消のためにはどちらもしっかりとることが大切です。「日本人の食事摂取基準(2015年)」によれば、成人女性の食物繊維摂取目標量は1日18gです。しかし、国民健康・栄養調査(2015年)では、女性の食物繊維摂取量の平均は1日14.2g、20代の女性は11.8g、30代女性は12.5gと若い女性ほど大幅に不足しています。
 特に便秘の人は、1日に一食でもいいので、不溶性と水溶性の食物繊維が豊富な食事をとるように心がけましょう。食事の内容を見直すことが、便秘や痔といったおしりのトラブルの予防にもつながります。【聞き手=医療ライター・福島安紀】

野澤真木子
日本橋レディースクリニック院長
のざわ・まきこ 杏林大学医学部卒業。杏林大学医学部付属病院第一外科に入局し、消化器外科を専門とする。その後、松島病院大腸肛門病センター、松島ランドマーククリニック院長を経て、2008年4月、女性専門の肛門科胃腸内科として「日本橋レディースクリニック」(東京都中央区)を開設。2013年7月には、おなかやおしりの健康に必要な「食」の提案を行う拠点として、クリニックと同じビルに「フローラカフェ by NLC」を併設、普段の食生活を見直しながら腸内環境を整え、病気を予防する試みを紹介している。日本大腸肛門病学会専門医、日本大腸肛門病学会指導医、日本外科学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本消化器外科学会認定医、日本医師会認定産業医。
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