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香山リカのココロの万華鏡:人間ならではの医療を 

2018.03.11(17:00) 1463

 次のような記事がありました。
香山リカのココロの万華鏡:人間ならではの医療を /東京
その他 2018年2月6日 (火)配信毎日新聞社

 医者である私も病気になる。カゼも引けば湿疹も出るし、転んで腰を痛めたこともある。そういうときにはどうするか。いちばん手軽なのは、勤務している病院の内科や整形外科の先生に相談し、クスリなどを出してもらうことだ。立ち話で「くしゃみが止まらなくて」「カゼですね。何か処方しておきますよ」「どうも」と用が足りることもある。

 でも私は、体調がよくないとき、なるべく他の病院を受診するようにしている。理由の一つは患者さんの気持ちを理解するためだ。「ああ、検査結果の説明を待ってるときは不安なものだな」と、その立場になって初めてわかることもある。

 そしてもう一つは、他の病院で処方してもらうクスリのほうがきく気がするから、なのである。どこから出してもらうクスリもそれほどの差はないのだが、診察室の椅子に座り、丁寧に触診、聴診をしてもらって「では、こういうクスリを出します」と説明されると、それだけでありがたくて病気の半分は治ってしまう気がする。“気の持ちよう”であるが、とても大事なことだと思っている。

 これからAIがどんどん発展し、人間の医者よりも正確に診断し、より適切なクスリの処方ができる“ロボット医師”も登場間近なのだという。たしかに、人の目だと見逃すような小さな病変を見つけたり、膨大なデータと照らし合わせてよりその人にぴったりのクスリをアレンジしたりするという点においては、ロボット医師にかないそうにない。

 ただ、「はい、お口をあーんとあけて。ああ、喉が赤くなってますね。これでは食べものものみ込みにくいでしょう」と理解してくれたり、「だいじょうぶです。いまはいいクスリがあるので必ずおさまりますよ」と励ましてくれたり、といったことはやっぱり人間の医者にしかできないのではないだろうか。

 「いやいや、ロボット医師に教え込めば、不愛想な医者よりよほど適切な言葉を患者さんに掛けることができますよ」と言われそうだが、それでいいのか。もし、私の勤務先に優秀なロボット医師が導入されたら、私も他の病院を受診せず、ロボット先生に症状を伝え、クスリと励ましのメッセージをもらおうとするだろうか。

 いや、その前に「ウチのメンタル科はロボット先生にお願いするので、もう来てもらわなくてけっこうです」と言われるかも。そうならないように、人間ならではの医療をこれからもがんばって行いたい。(精神科医)

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りんむうフォトダイアリー



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